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日本で世界初の手術を成功させた薬草!美しさに潜む妖しい魅力! チョウセンアサガオの育て方を徹底解説!!
チョウセンアサガオとは
チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔 学名: Datura metel)は、ナス科チョウセンアサガオ属の一年草です。
属名の「Datura」からダチュラ(ダツラ)とも呼ばれます。
原産地はアメリカ大陸中南部か、熱帯アジアと言われており、定説はありません。
その名の通りアサガオに似た花を咲かせ、園芸種として楽しめます。
現在では、ダチュラ(ダツラ)という名で、園芸植物としても流通しています。
育て方は非常に簡単で、種をまいて放置で元気に育ちます。
実はチョウセンアサガオは、日本で野生化して、雑草としても見かけます。
チョウセンアサガオの毒性
チョウセンアサガオは全草や種子に有毒なアルカロイドを含みます。
チョウセンアサガオを摂取すると、瞳孔散大、強い興奮、頻脈、幻覚、精神錯乱などの症状が起こり、量が多いと死に至るともいわれています。
そのため、チョウセンアサガオは別名キチガイナスビとも呼ばれています。
チョウセンアサガオのもつ有毒なアルカロイド成分は、ヒヨスチアミン (Hyoscyamine)、スコポラミン (Scopolamine) などのトロパンアルカロイドです。
元々、日本へは江戸時代に薬用植物として入ってきました。
そしてチョウセンアサガオの薬効を利用し、1806年、華岡青洲が、世界初の全身麻酔手術による乳癌切除手術を成功させました。
有毒ですが日本の歴史も感じることができる魅力的なチョウセンアサガオを育ててみてはいかがでしょう。
エンゼルトランペットとの関係性
エンゼルトランペットは、和名キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)と呼ばれる多年草です。
和名からもエンゼルトランペット(キダチチョウセンアサガオ)は、チョウセンアサガオの近縁種といえます。
どちらもダチュラ(ダツラ)と呼ばれることがあります。
チョウセンアサガオと同じく全草に有毒なアルカロイドを含み、幻覚や行動異常などを引き起こします。
チョウセンアサガオとキダチチョウセンアサガオ(エンゼルトランペット)は、同じナス科ですが、それぞれチョウセンアサガオ属とキダチチョウセンアサガオ属で、別属です。
イメージとしては、イヌとキツネぐらいの違いでしょうか。
エンゼルトランペットは様々な花の色の品種がありがあり、多年草で大きくなるので、花をたくさんつけた姿はゴージャスで美しいです。
チョウセンアサガオの情報早見表
チョウセンアサガオの情報早見表 | |
生活環 | 1年草 |
高さ | 60~120cm程 |
日光 | 大好き |
耐寒性 | 弱い(10℃以上) |
耐暑性 | 強い |
耐乾性 | 水切れに弱い |
耐湿性 |
普通 |
花・果実・種子 | 開花後にとげのある果実を形成 |
チョウセンアサガオの育て方早見表
チョウセンアサガオの育て方早見表 | |
育てやすさ | 非常に育てやすい。地植えなら放置でも育つ。 |
気温 | 15~30℃(暖かいのが好き) |
日当たり、置き場所 | 日当たりがよく風通しのいい場所 |
用土・土壌 |
一般の培養土(瘦せ地でも育つ) |
水やりのタイミング | 鉢植えなら土が乾いたらしっかり水をやる。(よく水を吸います。) |
肥料 | 液肥は1~2週に1回。置き肥の化学肥料、有機肥料は春、夏、秋、冬 |
病害虫 | ハダニがつくことがある、虫に葉が齧られることがある。 |
日常の管理 |
放置で特に問題なし。全草有毒成分を含むので、樹液に触る際は注意 |
チョウセンアサガオの栽培難易度
チョウセンアサガオの栽培は、非常に簡単で、空き地に雑草として生えているぐらいです。
チョウセンアサガオはよく水を吸うので、鉢植えの場合は、水切れに注意してください。
偶に虫に葉をかじられているときはあります。しかしそこまで食害に遭うこともありません。
チョウセンアサガオを食べた虫、寧ろ、その行方が気になります。
チョウセンアサガオの基本情報
チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔 学名: Datura metel)は、ナス科チョウセンアサガオ属の一年草です。
属名の「Datura」からダチュラ(ダツラ)とも呼ばれます。
その名の通りアサガオに似た美しい花を咲かせ、芳香もあるため、園芸種として楽しめます。
果実はとげのある独特の形をしています。
またチョウセンという名称は、「日本の近くにあるが別の国の朝鮮」ということから、「似ているけど別種のもの」という意味を表す名称として用いられます。
チョウセンアザミ、チョウセンカマキリなどが例です。
現在では、ダチュラ(ダツラ)という名で、園芸植物としても流通しています。
育て方は非常に簡単で、種をまいて放置で元気に育ちます。
原産地はアメリカ大陸中南部か、熱帯アジアと言われており、定説はありません。
日本へは江戸時代に薬用植物として入ってきました。
しかし薬用植物とは、すなわち有毒な成分を含むということす。
チョウセンアサガオは、有毒なアルカロイドを含み、幻覚や精神錯乱など様々な作用を引き起こします。
そのため、チョウセンアサガオは別名キチガイナスビとも呼ばれています。
幻覚を見るからでしょうか、マンダラゲ(曼陀羅華)という別名もあります。
実はチョウセンアサガオは、本州以南で帰化・野生化していて、荒地などで雑草としても見かけます。
エンゼルトランペット(キダチチョウセンアサガオ)について
園芸でよく流通しているエンゼルトランペットは、キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)と呼ばれる多年草です。
その名の通り、トランペットのような美しい花を下向きに付けます。
果実はオクラのような形で、オクラとの誤食による中毒例があります。
チョウセンアサガオと同じく全草に有毒なアルカロイドを含み、幻覚や行動異常、めまい、瞳孔散大、意識障害などを引き起こします。
以前は同じ属(チョウセンアサガオ属(Datura))に分類されていた名残で、キダチチョウセンアサガオ(エンゼルトランペット)もダチュラ(ダツラ)として流通しています。
しかしチョウセンアサガオとキダチチョウセンアサガオ(エンゼルトランペット)は、同じナス科ですが、それぞれチョウセンアサガオ属(Datura)とキダチチョウセンアサガオ属(Brugmansia)で、別属です。
イメージとしては、イヌとキツネぐらいの違いでしょうか。
そのため、チョウセンアサガオ属が「Datura、ダチュラ(ダツラ)」なので、正式には別属のエンゼルトランペット(キダチチョウセンアサガオ)を「Datura」、ダチュラ(ダツラ)とは呼びません。
エンゼルトランペット(キダチチョウセンアサガオ)は園芸で有名
エンゼルトランペットは様々な花の色の品種がありがあり、多年草で大きくなるので、花をたくさんつけた姿はゴージャスで美しいです。
エンゼルトランペット(キダチチョウセンアサガオ)の法が、チョウセンアサガオよりもよく園芸で流通している人気の品種です。
チョウセンアサガオ、キダチチョウセンアサガオ(エンゼルトランペット)の毒性
チョウセンアサガオやキダチチョウセンアサガオ(エンゼルトランペット)は、全草や種子に有毒なアルカロイドを含むことで有名です。
チョウセンアサガオを摂取すると、瞳孔散大、強い興奮、頻脈、幻覚、精神錯乱、意識障害、健忘などの症状が起こり、量が多いと死に至るともいわれています。
有毒なアルカロイド成分は、ヒヨスチアミン (Hyoscyamine)、スコポラミン (Scopolamine) などのトロパンアルカロイドです。
しかし毒物ということは薬にもなります。ヒヨスチアミン、スコポラミンは現在でも薬として利用されています。
また市販されている医薬品内服剤の「ストナリニS」(佐藤製薬)には「ダツラエキス」が12mg配合されていて、「副交感神経を遮断するダツラエキス配合でつらい鼻水、鼻づまりの症状を緩和します。」と宣伝されています。
チョウセンアサガオ、キダチチョウセンアサガオ(エンゼルトランペット)の中毒事例
ごぼうの根、オクラなどの誤食例があります。
特にキダチチョウセンアサガオ(エンゼルトランペット)の果実はオクラのような形で、確かにオクラと形が似ています。
また同じナス科としてナスの接ぎ木の台木に使っての中毒例もあるので驚きです。
・ゴボウと「チョウセンアサガオの根」を間違えて食べた。
・家庭菜園でチョウセンアサガオを台木としてナスを接ぎ木し、実ったナスを食べた。
・チョウセンアサガオの果実とオクラを間違えて食べた。
チョウセンアサガオと日本の歴史
日本へは、江戸時代に薬用植物として入ってきました。
江戸時代の医師、華岡青洲はこのチョウセンアサガオの強い鎮静作用を利用して、通仙散という麻酔薬を調合しました。
そして1804年、世界初の全身麻酔手術による乳癌切除手術を成功させました。
記録に残っている西洋(アメリカ)で行われた麻酔手術よりも40年も早い記録です。
華岡青洲の並々ならぬ努力と、チョウセンアサガオの薬効(すなわち毒性)の凄さを感じます。
この話は『華岡青洲の妻』として舞台やテレビドラマ化されています。
シクラメンの基本管理ポイント
チョウセンアサガオの栽培は、非常に簡単で、空き地に雑草として生えているぐらいです。
基本的に1年草なので、4月以降、十分に暖かくなったら種をまいてください。
チョウセンアサガオはよく水を吸うので、鉢植えの場合は、水切れに注意してください。
偶に虫に葉をかじられているときはあります。しかしそこまで大きな食害に遭うこともありません。
チョウセンアサガオを食べた虫、その行方が気になります・・・・・・。
チョウセンアサガオの種類
日本でチョウセンアサガオ(チョウセンアサガオ属(Datura))と呼ばれる植物は、主に3種類います。
チョウセンアサガオ 「Datura metel」
主に本種の説明をこのページではしてきました。
葉は全縁か、たまに大きな鋸歯があります。
花色は白の他に黄、紫、青があります。
八重咲の園芸品種もあります。
本種が江戸時代に入ってきて、華岡青洲に利用された種です。
アメリカチョウセンアサガオ(ケチョウセンアサガオ) 「Datura inoxia」
チョウセンアサガオと非常に似ていますがが、枝、茎、葉の上面などに軟毛があり、全体的に白み(灰色)がかってみえます。
またチョウセンアサガオと比べて、果実の棘が密で長細めです。
主に白花です。
中央または南アメリカ原産です。
アメリカ原住民などによって、医療(鎮痛剤など)や儀式(幻覚など)にも利用されてきました。
シロバナヨウシュチョウセンアサガオ 「Datura stramonium」
枝と茎、葉の上面などに柔らかい毛があります。
切れ込みのある葉をもっているため、見分けやすいです。
主に白花ですが、紫花の品種もあります。
南アジアか北アメリカが原産地の候補といわれています。
南アジアと北アメリカでは、宗教的な行事に用いられることがあります。