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エンセファラルトス Encephalartos (ヒメオニソテツ)の耐寒性の検証実験
エンセファラルトス Encephalartos (ヒメオニソテツ)とは
エンセファラルトス(Encephalartos)はソテツ科オニソテツ属の常緑低木です。和名「ヒメオニソテツ(姫鬼蘇鉄)」とも呼ばれます。
属名が「Encephalartos」なので、訳し方の関係で、エンセファラトス、エンケファラルトス、エンセファラートスなど呼ばれることもあります。。
エンセファラルトス(Encephalartos)は南アフリカの熱帯、亜熱帯に自生しています。
エンセファラルトスは硬い葉や、強い棘など、野性味あふれす姿から愛好家が非常に多くいます。
品種によっては非常に美しいシルバーブルーの葉をもちます。
ワシントン条約1種に指定されており、非常に希少です。
観賞価値の高さ、希少性と成長の遅さ、輸出制限等で、非常に高価です。
参考:楽天市場
https://search.rakuten.co.jp/search/エンセファラルトス
エンセファラルトス ホリダス
エンセファラルトスの生育に適した気候
エンセファラルトスは南アフリカ原産です。基本的に熱帯、亜熱帯の気候で生育しています。乾燥した暑い気候に適しています。
エンセファラルトスと日本の気候
日本は温帯の気候に属し、夏は高温多湿で、冬は南アフリカよりはるかに寒いです。
しかし、エンセファラルトスは非常に丈夫なため、日本の気候でもある程度生育できます。
一般的に、大きな個体は、-5℃まで耐えることができるとされています。
エンセファラルトスの日本での耐寒性の検証
エンセファラルトスの日本での耐寒性はどうなのでしょうか。一般的に、大きな個体は、-5℃まで耐えることができるので、理論上は日本の冬も乗り切れます。
しかしエンセファラルトスは非常に希少で高価なため、大概の日本での栽培者は、冬は温室または室内に取り込みます。
今回は関西平野部、実際に屋外で越冬させてみました。2度積雪があり、エンセファラルトスにも積もりました。
雪の積もったエンセファラルトス ホリダス 大
雪の積もったエンセファラルトス ホリダス 小
雪の積もったエンセファラルトス レーマニー
エンセファラルトスの日本での耐寒性の検証の結果
屋外で越冬したエンセファラルトス ホリダス 大
屋外で越冬したエンセファラルトス ホリダス 小
屋外で越冬したエンセファラルトス レーマニー
ホリダスは小さい株でも、雪が積もってもほぼダメージがありませんでした。
レーマニーは、寒さで葉の一部が赤く葉焼けしてしまいました。
ホリダスもレーマニーもかなり小さい株(直径2~3cm)でしたが、屋外越冬するのに十分な耐寒性を備えていることが分かりました。
エンセファラルトスの春先の寒さによる影響
一部のエンセファラルトスは室内に取り込んでいました。
4月に屋外へ出したのですが、4月は寒い日が多く、エンセファラルトスの葉に影響が出ました。
春先の寒さに当たると葉焼けしてしまいます。
エンセファラルトス プリンセプス
エンセファラルトス ラナタス
エンセファラルトス ユージンマレイシー
エンセファラルトスの耐寒性のまとめ
結論として、2~3年目以上の株であれば、日本(平均約4.5℃、年間平均気温約13℃前後)の屋外で冬越し出来るということが分かりました。
また、1度や2度の積雪にも耐えることができます。
ただし、葉が一部赤く焼けたり、葉が枯れたりすることがあります。
観賞価値を気にする人は、屋内へ取り込むのがいいと思います。
エンセファラルトスは葉を出す回数が年間で1、2回です。
葉が赤くなったり、一部枯れているのが嫌だという人は室内へ取り込みましょう。
葉の傷みも含めて、愛でることができる人は、一度屋外で冬越しさせて、日本の冬に馴染んでもらいましょう。